こんにちは!Sueです。
この時期になると思い出すことがあります。
コロナになる2年くらい前の話です。
フリーランスになることを試みていた時のこと。
週末だけ、とある会社のお手伝いをすることになりました。
まず、翌月退職する人の引き継ぎをすることになりました。
その人は、退職が決まってから、1週間に1度しかオフィスに来ないことが決まっていたので、日程を決めて引き継ぎをすることにしました。
引き継ぎをしたことがないのか、大手IT企業で長年働いていたというその人は、引き継ぐ準備すらしていませんでした。
その会社で利用している様々なオンラインツールについて、例えば、「これは、メルマガを管理するツールでー、…あ、そうそう、ログインのIDとパスワード必要だよね。」という会話がほとんどで、彼女の中では、ログインのIDとパスワードの発行をすることが、「この項目については引き継いだ。」、という認識だったようです。
わからないことを聞いても、要領の得ない説明なので、だんだん聞かなくなり、ほぼ、説明なしの手探り状態で作業していました。
そんなもんだから、案の定、とある事務処理を間違えました。
修正方法を確認したところ、「2年いたけど、2~3回くらいしか間違えたことがないからな~。過去の資料を探して真似してみてください。」と言われました。
ちなみに、フォルダーの中もぐちゃぐちゃで、過去の資料を探すのにそれらしきフォルダーとファイルを1つ1つ開いて探すしかありませんでした。
暗雲しか立ち込めていない中での本格スタートでした。
次に、代表の方についてですが、(おそらく)60歳は越えている女性。
もしかすると、70近かったのかも。
面接の時だけかと思っていたのですが、出社する度に、同じ話を何度も聞かされました。
1度話始めると、1時間はずっと喋りっぱなし。
きちんと聞かないと失礼だろうから…と思い、毎回、仕事の手を止め、聞いていました。
その人が会社に来ていない時は、電話がきて話し始めます。
それが1日に1度ではなく、何度か電話があります。
時間は決まってなかったけど、
朝10時くらいに電話がかかってきて、最低1時間は喋りっぱなし。
最低1時間なので、2時間ちかく話していることもありました。
お昼過ぎに、2〜3回、それぞれ大体5〜15分、今確認することなんだろうか…ということでも電話でお話しされ、
夕方、16時前後にもう1度、30分〜1時間お話されていました。
htmlやcssを書いている時は、簡単なものでも困りました。
特にエラーが出た時は、「あれ?何をどこまでやってたんだっけ?」状態になり、最初からおさらいしながら進める…といった無駄な時間を過ごしていました。
1時間あれば解決することも、トータルで4〜5時間かかっていました。
それだけならまだしも、解決している最中にまた電話がかかってきて、「ここの部分、まだ直ってないようだけど、Sueさんって、htmlが書けるって言ってましたよね?」と言われた時は、閉口でした。
ある日、1人会社で仕事をしていた時、何かのオンラインツールの使い方が分からず、ヘルプデスクに聞きながら操作していたのですが、その日も電話がかかってきました。
キャッチでわかります。
株式会社とはいえ、従業員は、基本、社長と誰か(1〜2人)なので、1回線しかありません。
申し訳ないとは思っていましたが、あれこれ聞きながら操作してるので、さすがに電話には出れません。
それについて、「会社に電話しても繋がらない。」というメールが届きました。
その後、電話がきて、1時間弱のおしゃべりと、おまけのように、電話がきたら、誰かと話をしていても、必ず出るよう注意されました。
「おまけのように注意」というのは、彼女なりの気遣いなんだろうと思いました。
実務をやっていない人なので、仕方ないのかもしれませんが、なんて返事をして良いのかわかりませんでした。
言い訳に聞こえてもいやなのでね。
ほぼ何も引き継いでいない状態で、前任者は会社を去ってしまったので、わかれば簡単な仕事のはずなのに、何をするにもそれらしき過去のデータを探すことや、ツールの解明に時間を取られ、やきもきしてるのに、さらに、社長の話を聞かなきゃいけない状況は、かなりきついものがありました。
社長は、話出すと止まらないんだけど、気持ちはとてもやさしい人。
それゆえ、この会社は、1人1人のお客様と丁寧にお付き合いするスタイルでビジネスを確立させてきたようでした。
なので、必ずと言って良いほど、イレギュラー対応が発生します。
全てがイレギュラーと言っても過言ではありません。
必然的に、(例えば)受注処理システムの操作もイレギュラーです。
そうすると、受注システムを隅から隅まで知ってるわけではないので、場合によっては、1件の受注を処理するのに、数時間かかります。
マニュアルを読んだり、ヘルプデスクに電話をして教えてもらったりするので、仕方ない。
そんな話を何気に社長にしていた時、
それなら、そういうのをなくしましょう!と言って、ソリューションのようなものを、一見、論理的風にメールに書いて送ってくたんだけど…
なんかずれてる…
この件だけでなく、こういう出来事があると、張り切って提案してくれます。
どう思うか、も聞いてくれるので、他のソリューションを提案するけど、(”ソリューション”と言っても、めっちゃ簡単なことなんだけど。)自分で考えたことじゃないからなのか、聞かなかったことにされます。
というか、聞いてないし、メール送っても3行も書いてないのに、読んでない。
そういう行動をとられることはあまり気にならないけど、いつまで経っても、結局、解決できないまま、という状態がイヤでした。
お客様のことを大切にするのは大前提だけど、なるべくやらなくても良い仕事は減らして、売上アップするために動きたくても、ぜんぜんできない。
それを社長も望んでいるはずなのに、なぜかそっちの方向に進まない。
もしかすると、前任者も、これにうんざりして、もうどうでもいいや、って思って仕事をしてたのかな、と思ったりもする。
そんなこんなで、2ヶ月くらいで、辞めてしまいました。
正解はないんだろうけど、どう振る舞えば良かったのか、未だにわからない。
その後、数年経って、コロナ禍になり、オフラインでも商売されていたお店だったので、売上が激減したそうで、何かできないかとお電話いただきました。
留守電に入っていて、私のことを覚えていてくれたことは嬉しかったけど、かけ直すことができませんでした。
郵送でお手紙も送られてきました。
申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、読めませんでした。
お手伝いをした数日間の出来事は、数年前のちょうどこの時期だったので、この時期になると思い出します。
私は今までもこれからも、的確な指示は出せるんだろうか?
この時も、今みたいに、もう秋なのに、なんでこんなに暑いんだろう…と感じてたっけなー。